判断能力を失う前に。生前対策を学ぶ

 10月25日、日の丸会館で47名が参加して、栄東地区福祉のまち推進センター・栄東地区まちづくり未来会議主催の生前対策セミナーが開催されました。同地区では、いきいきと自分らしく老後を過ごすために終活セミナーを実施していますが、その一環として財産関係の生前対策を専門家の千田大輔・行政書士にお話ししていただきました。

 高齢化が進み、認知症などを発症する高齢者が増加しています。認知症になって判断能力を欠くようになると家族が本人の医療費や生活費を銀行から引き出そうとしてもできなくなるなどのトラブルがあります。

 どんなに健康に過ごしていても、加齢による衰えや認知機能の低下はだれでも起こりうることです。そんな状況になったときの法定後見制度や判断能力を失う前の対策としての任意後見や家族信託などを中心に講義が進みました。判断能力を失う前後が制度利用の分岐点になります。

 判断能力を失ったあとでは、法定後見制度しか方法がなくなり、デメリットが少なくありません。親族が後見人になりにくい、専門の後見人人は報酬がずっとかかるなど、財産を柔軟に動かせない、裁判所の手続きが煩雑、必ず他人がかかわってくるなどがあげられます。

 これに対して家族信託は、他人ではなく家族がかかわれること、後見制度と比較して制約が少ない、遺言と異なり、受益者を父、母、弟などと連続して自由に設定できるなどのメリットがあります。一方で初期費用が比較的高額、専門家が少ない、信託する不動産が担保になっている場合は借りた金融機関などの許可が必要などのデメリットも。

 2時間余りの講演でしたが、会場からは、「家族信託で預かったお金には贈与税はかからないのか」、「生前贈与と受益者がなくなり信託財産を相続したときの関係は?」などの質問が出され、死後の財産をどうするのか、生前対策の必要性を感じている方が多いことがうかがわれました。

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